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第9話「前向きに、友達を減らそう」

水曜どうでしょうカメラ担当ディレクター・嬉野雅道と、SHARP公式の中の人・シャープさん。大阪で語り合った連載の第9話をお届けします。(聞き手:嬉野珈琲店、T木)
*前回のお話はこちら→第8話「テレビ局をやめようと思った日」

*解説・シャープさん!嬉野雅道著ひらあやまり(文庫版)明後日23日発売です!

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<第二部>「会場からの質問」
第二部では、会場から募集した質問に嬉野雅道とシャープさんが答えます。
質問は、対談を聞きながら、お客さまに書いていただきました。

T木:
(質問が書かれたカードを見ながら)「シャープさんに質問です。ツイートが炎上して引っ込めるということはありましたか」

 シャープさん:
引っ込めるということは基本的にはないんです。
まずいなというのを
やったこともあるんですけど、その時も消すことはない。それは鉄則。

T木:
嬉野さんはホームページの文言を半日で撤回したということでしたが…?

会場:
(笑)

嬉野:
それはニュアンスが違うよ。
うちのリニューアルの時に不穏当な言葉を出し続けるというのは危険でしょ。

シャープさん:
消すというのは隠そうとしてるということ。「隠そうとする」のをしないという。

嬉野:
うちの場合は「しまえ!」と言われてあっさり「わかりました」と引っ込めた過程も、全部バレバレだったからね。

T木:
つづいての質問「お互いの第一印象は?」。

嬉野:
それは共感ですよ、近しい感覚で働いているんだろうなという。

T木:
シャープさんはどうでしたか?

シャープさん:
ぼく画面越しとか本で読んでたから第一印象ではないんですけどね。
けど声はあんまり知らなかったので。印象は変わりました。

嬉野:
良い方に?

シャープさん:
良い方に。


会場:
(笑)

T木:
つづいて「新しいことをはじめる、または環境を変えるときに何を考えますか」とのご質問です。

嬉野:
うーん、新しいことをはじめなきゃいけないとか思ったことはあんまりないんですけど。

シャープさん:
ああー。

嬉野:
でもやっぱりほら、こっちも58(2017年当時。今年嬉野さんは還暦です!)だからさ。なんていうんですか、やりたくなかったわけでもないのに、なぜかずっと手控えて来たことはやっていこうかなとか。

T木:
なるほど。

嬉野:
例えばこんな表舞台に立って、なんてことは数年前まではやってなかった。まぁそれまでも藤やんに誘われていろいろステージに立ったりしてね。藤やんっていう人はステージに立つことに躊躇のない人だからね。なんでもなかった。

T木:
そうですよね。

嬉野:
でも俺が1人でステージに出るなんて思ってもみなかった。でも出てみると人間必死になるわけ。俺の場合、なんとかして手当しないといけないのは「なんで俺はこんなところに立ってるんだろうか」という理由なんだよね。

T木:
立っている理由づけ。

嬉野:
そう。「俺はこんなところにいていいのか」って。それが自分に説明できれば全然、ステージ上にいられるんですよね。それが分かった。

シャープさん:
嬉野さんの文章ってそうですよね。「まあいいか」というのを逡巡しながら保留しつづけている。そこが好きなんですよね。

T木:
よく読まれていらっしゃる。

嬉野:
大事にしないと。超大物。

シャープさん:
何言ってるんですか(笑)

会場:
(笑)

T木:
シャープさんは環境が変わる時には?

シャープさん:
友達を減らすことです。


T木:
減らす覚悟とかじゃなくて、減らす?

シャープさん:
そう。

嬉野:
もうちょっと言ったほうがいいと思うよ(笑)

シャープさん:
自分を覗き込むしかない。


嬉野:
はいはいはいはい。

シャープさん:
それはやっぱり一人きりになったほうがいい。

T木:
嬉野さんは、とても共感されていますね。

嬉野:
自分を覗き込むっていうのは俺もわかる気がするよ。結局さ、こういう時代だから40万のフォロワーがいるみたいなことになるわけじゃない。でもそういう人たちの気持ちを慮るだけじゃだめで。他人じゃなくて自分を覗き込んで、自分の心の深い部分に共感されるっていうことがあるわけよ。本当にみんなが欲しいものにはそこまでいかないと行きあたらない。

シャープさん:
そうです。

嬉野:
人間ってのは本当は繋がってるはずなんです。文章を書くにしたって、物を作るにしたって、心から込み上がってくるもんなはずじゃないですか。それを出したときに「その風景は僕もみたことがあります」みたいなことが起こるわけじゃないですか。

T木:
なるほど。

嬉野:
そう。てことはどこかで繋がってるわけ。そこにみんな降りてくるんじゃないかなって。

シャープさん:
そうしていったら、友達が自然と減るという。

嬉野:
友達を減らしていくというのは前向きに、です。

(つづく)

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お読みいただきありがとうございました。明日も、会場からの質問に二人が答えます。誰にでもある「言いにくいことが言えない時」「上司に物言いたい時」、どうすればいいですか…!?目から鱗の、二人の答えとは!?どうぞお楽しみに。
(明日の記事「注釈は、堂々と言えば、文脈になる」に続きます)。

《連載目次》
第1話(3月13日)
まずは前枠「ほんとうに初めまして。」
第2話(3月14日)
「行きがかり上、中の人やってます」
第3話(3月15日)
「宣伝しながら宣伝しない」
第4話(3月16日)
「『ありがとう』に泣かされる」
第5話(3月17日)
「炎上の火中、エモさで飛び込む」
第6話(3月18日)
「水曜どうでしょうVSコンプライアンス」
第7話(3月19日)
「会社に頼らず、ファンに頼る」
第8話(3月20日)
「テレビ局をやめようと思った日」
第9話(3月21日)
「前向きに、友達を減らそう」
第10話(3月22日)
「注釈は、堂々と言えば、文脈になる」
最終話(3月23日)
「幸せな働き方ってどんなものですか?」

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〇いよいよ公開された『Wednesday Style』創刊号の様子を少しだけお届け。あわせてお楽しみください。

(今後のゲスト編集長:SHARP公式さん病理医ヤンデルさんたらればさん


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このお賽銭箱にね"チャリンチャリン鳴るようなそんな不浄なものは喜んで捨てさせていただきます"と望まれる方も稀におられるかもしれない、そんな方はここに不浄なものを日々放ってね功徳を積んでいただきたい。いや、押さなくていいのよ。でも、押すな!とも言いませんよ。止めませんよ!

丹念に丹念を重ねてスキですよ
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嬉野雅道

『水曜どうでしょう』カメラ担当ディレクター(HTB 北海道テレビ放送)。うれしーとも呼ばれています。noteには、毎日「言葉の切れはし」を置いていくことにします。著書に『ひらあやまり』『ぬかよろこび』(KADOKAWA)、共著に『腹を割って話した』(イースト・プレス)など。

嬉野珈琲店

嬉野珈琲店では、 ​ 『水曜どうでしょう』カメラ担当ディレクター「うれしー」こと嬉野雅道の コラム、エッセイ、旅日記、対談録など、 ふつうなのにほかにはない言葉を「読みもの」としてお届けします。 ​ また、オリジナル珈琲やグッズの窓口として、 仔鹿と言われる嬉野さんのフ...
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『嬉野:
そう。てことはどこかで繋がってるわけ。そこにみんな降りてくるんじゃないかなって。』

どこかで繋がってる

そっかあ。
そう感じれる日常でありたいです。
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